「フード・マイレージ」広まれば生産が変わるはず

買わない選択示すしかない 米国産牛肉

先日杉並保健所で開かれた「食の安全を考える討論会」の基調講演で、講師の森田久雄氏(㈱全国農村映画協会 取締役プロデューサー)は「地産地消が安全な食を築くうえで重要」と結論づけていました。

また井草地域の営農者、森田さんの話は、生産者と消費者の「顔の見える関係」が食のトレーサビリティを可能にし、結果として安全な生産につながることを示しました。でも「地産地消」のいいところは「安全」だけではありません。

移動の距離が短ければ輸送にかけるエネルギーが少なくてすむ。すなわち飛行機や船やトラックを走らせる石油燃料の消費が抑えられ、CO²排出を削減できることになります。「地産地消」は環境配慮型の行動様式なのです。

輸入食料がどれだけ環境に負荷を与えているか数値で捉えようとする「フード・マイレージ」の考え方がもっと広まれば、消費者の行動が変わってくるに違いないと思います。食べ物の出身地がどこか気にするようになれば・・・。

素材はもちろん、お弁当や惣菜、袋菓子を開けるときも外食するときも、食べ物を前にしたあらゆる機会に「この材料はどこから来てどれだけエネルギーを費やしたのか」みんなが考えるようになれば、必ず生産現場を変えるはず。

議員になるまえ生協の共同購入活動に関わっていた経験から、そのことは自信を持って言えます。

BSEの影響でストップしていた米国産牛肉の輸入が、年内にも再開することが決まりました。「生後20ヵ月以下の牛に限り脳・セキズイなどの危険部位を除去することが前提」と食品安全委員会は言いますが、その前提が守られる保障がないのに、なぜお墨付きを与えたのでしょうか。

食に関する限り安全性と信頼に勝る価値はありません。消費者の不安に応えず米国の圧力に屈するのなら、輸入再開しても安全確保の具体策が示されるまで買わない、という私たちの選択を示すしかありません。