西東京「グループホーム いずみ」を見学

老いをくらす住まい(方)を考える①

杉並・生活者ネットワーク福祉部会の企画で、2ヵ所の高齢者施設を見学しました。西東京市で認知症のお年寄りが共同生活する場「グループホーム いずみ」と調布市の民間有料老人ホームです。

私が旧保谷市(いま西東京市)住吉町に住んでいた92年からの3年間、市役所の真向かいに新築されたばかりの生活クラブ生協保谷センターには生協活動での会議や試食パーティ、生産者交流会などで足を運びました。

同じ建物の上階にあったのが、生協の組合員がお金も人も出し合ってつくった「悠遊(ゆうゆう)」という社会福祉法人の介護施設や、宅配のお弁当づくりの厨房。地域活動を深めた主婦たちが「ご近所のたすけあい」の延長でそれらの事業を担うという、自治の実践がまぶしく見えたものです。

ところがその建物が道路建設の計画変更により移転せざるをえなくなり、これを契機に生協の配送センターと分かれて、「悠遊」経営のグループホームを併せた施設としてこの8月に生まれ変わりました。以前の場所から500m、これまで地域で培ってきた人のつながりがいかせる距離です。

1階がグループホームになっていて9人ずつ2つのユニット、定員の18人が入居し、全員この地域の人です。各ユニットは中庭を通って自由に往来でき、どちらのリビングルームで過ごしても、食事してもよいことになっています。

すべて個室で窓から外へ直接出られる構造は、認知症の人の徘徊を促すのでは、と思いがちですが、窓の下に履物がなければ実際には出て行かない、必ず玄関から出て行くのだそうです。縁側に天井から吊り下げた長い物干しは天気の悪い日に役立ちそう。生活の場には洗濯物がつきものですから。

2階は、デイサービスの空間と配食事業の厨房のほか事務所スペースがあり、相談事業、ケアプランの作成など支援サービスや訪問サービスを行なう事業も同居しています。旧施設のころから配食サービスを担当しているのは企業組合ワーカーズコレクティブ「結女(ゆめ)」という組織で、生活クラブのこだわりの食材を使っています。昼食はここでいただきました。

写真・グループホームのバスタブに入ってみる