受講料96,000円は、東京都が先行して始めている教師養成塾の受講料187,000円と比較すると約半額、ずいぶん安いという印象を受けます。区に教員として採用されれば返環するとのこと、採用されなかった分は最終的に師範館の事業収入になるのか? カリキュラムの内容、講師はだれが? その選任方針は?指導教官と講師があるらしいがその違いは? 役員報酬等7,984,000円の内訳、 理事13人、監事2人にどう配分されるのか?
また現行法では教員の任用は都に権限があるはずで、区が採用するためには法整備が条件だったけれどその後の状況がどうなのか。区で採用する分は加配とのことで、職員削減計画と矛盾することにならないのか。
さらに、文科省の中央教育審議会で議論されていた、教員免許を更新する制度について、師範館では考えているのか。
これらの質問には理事会前というので明確な答弁が出ないものや答弁に納得できないものもありました。中でも強く感じているのは次の点です。
ここでは「教師心得」として理想の教師像が描かれ、ありえないような100点満点の教師が求められていますが子どもの目線で物事を見、考えることは求められていません。ほんとうに、子どもにとってこういう教師がいいのでしょうか。区の教育行政に疑問を持ったり批判したりする人は選ばれないだろうし、無批判な教員をつくっていこうとしているように危惧されてなりません。
もしいま区が独自の教員養成をというのなら、特別支援教育に移行しようとしているこの時期、より専門性の高い教師が求められているのだから、福祉分野に特化した教育が行われるのなら十分に納得できます。
師範館のある教育センターは済美養護学校が近いという地の利を生かしてこの点をぜひ検討されたい、と最後に要望しました。