杉並の「つくる会」教科書採択から1周年

あの日を忘れないために

去年杉並で「つくる会」の教科書が採択された8月4日と12日という日付を忘れないために、「あれから1周年」の集会を4日、「杉並の教育を考えるみんなの会」が区内の産業商工会館で開きました。

「つくる会」内紛により脱退したメンバーが設立準備を進めている組織について、石山久男さん(子どもと教科書ネット21常任運営委員)の話は、「つくる会」自体の勢力が弱まったとしても教科書問題が解決に向かうわけではないことが示唆されました。前途多難を覚悟しなければならないようです。

でもこんなことになったせいで、杉並で起きていることに関心を持ち行動していこうとするお母さんたちのグループができたり、扶桑社版歴史教科書の「正しい」読み方を解説する本が出版されたりと、自主的な動きが生まれてきているのは応援したい気持ちです。

1年前運動をともにした一人の区議として私も発言の機会を与えられ、この1年で区教委と区民の間の不信の溝が深まってしまったこと、「地域に開かれた学校を」と言い、そのための対話の場が設けられながら実際には発言がしにくい、ものが言えない状況が生まれてしまっていることへの危惧を述べました。

ところで6日は広島の原爆記念日。5年前の教科書採択時、扶桑社版では原爆の扱いが極端に小さい点について「みんなよく知っていることだから原爆の記述は簡単でよい」という発言を某教育委員がしていたのを思い出します。

情報誌『生活と自治』によれば、原爆投下の日時が答えられる小学生は当地の広島市でも4割に満たないのだそうです。投下から61年を経て歴史の「風化」が問題化しています。5年前も去年も扶桑社を推した先の委員に、これをどう思うか聞いてみたい気がします。