「しくみの会」は、「子どもの権利条約」の精神が杉並で実践されるための「しくみ」がつくられることを目指し、連続学習会を開くなどしていました。講師の平野さんは「子どもの権利条約」について語らせたらこの人の右に出る人はいない、というほどの人なので、講義の内容の濃いことといったらありませんでした。
この日は、私たちが関心をもっている「子どもの居場所」についての話題が中心になりました。いまの子どもは生活圏も情報が得られる範囲も広がっているのに「居場所が減っている」と感じられるのはなぜか、という疑問が発端です。
子どもには「自発的に発見できる場」が必要だが、「安全・安心」が絶対的に最優先されるなかで、子どもが自由に使える時間も空間も奪われ「囲い込み」が進んでいる。それは子どもにとって幸せな状態といえるのか。
結論から言ってしまうと「ノー」です。だからといって「安全・安心」を犠牲にはできない。ではどうしたら・・・?
子どもが安心できる居場所とは何か、について話しているうちに出てきたのが「ほどほど耐震」からの連想で「ほどほど安心」というフレーズです。
がっちり組み立てた城壁のように防衛するのでなく、そこそこ安全な地域、ほどほどの子育てでいいじゃない、という考え方です。そこには活発なコミュニケーションや親同士の楽しそうなネットワークがあり、子どもと親を信頼した視点が欠かせないのはもちろんです。