これではまるで「外環ノ2」はいいことだらけ

都のつくったパンフはおかしい

外環の地上部街路、いわゆる「外環ノ2」について「検討の進め方」の広報パンフを東京都都市整備局がつくり、先日の道路交通対策特別委員会で報告されました。冊子版と概要版があり、総カラーで上質紙の立派なつくりです。

1966年に都市計画決定された外環「本線」は昨年地下方式への変更が決定しましたが、66年当初に同時に決まっていた街路「外環ノ2」をどうするのかの議論はこれまでされてきませんでした。

「外環の必要性の議論は地上部街路も同時にすべき」という意見はPI協議会やその後のPI会議、また住民意見を聞く会などでも、住民サイドから必ずといってよいほど出ましたがこれまで先延ばしにされてきました。

それが、ここへきて「検討の進め方」が示されたわけで、環境、防災、交通、暮らしの4つの視点で、「地上部街路の必要性やあり方などについて、広く意見を聴きながら検討を進め、・・・都の方針をとりまとめて」いくとしています。

で、この立派なパンフですが、驚きました。まるで「外環ノ2」ができればいまの都市の問題がすべて解決するかのように書かれているのです。

環境面でいえば、街路ができれば失われたみどりが復活して緑被率が上がり、災害時に延焼を防止でき、交通が円滑化されて事故が減り、質の高い生活環境が創出されバリアフリー化も推進される・・・といった具合。

街路を造ればまちの景観を激変させてしまうこと、善福寺のまちから住民を追い出しコミュニティーを分断する弊害の甚大さについて何の考察もなく、防災対策や交通の改善には従来の道路を整備することで対応できるかも知れないのに、その示唆もない。これで東京都の意図がよく分かります。

杉並はこんなパンフによらずに主体的に議論を深め、今度こそ、外環ノ2はいらない、と明言すべきだと思います。