いま東京大学教授の石川さんは、みどりの都市環境計画が専門で、杉並区の都市計画審議会委員でもあります。都計審で阿佐ヶ谷住宅建て替え問題が議論されたとき、石川さんの述べた意見の見事さには心から感動しました。
阿佐ヶ谷住宅の環境価値を、ご自分の専門的・学術的知見から格調高く、ほとんど「愛情を込めて」と言いたくなるような豊かな言葉で語られ、傍聴者から拍手がわきおこったのは自然なことでした。
外環が大深度で都市計画決定される前の審議のとき、地下水の状況を知るにはデータが少なすぎる、不十分な調査結果をもとにしては可否の判断ができない、とした厳しい意見も、聴き応えのあるものでした。
外環はすでに都市計画決定を経て国の計画道路に「格上げ」され、各地域では「地域PI」が順次開かれています。杉並でもいよいよ開かれることになり準備が進んでいるこの時期。だからなおさら、石川さんの講演を聴きたいと思いました。
この日のタイトルは「受け継がれる緑の資産」。内容は武蔵野市議の砂川なおみさんもHPで書いているので、私の一番印象に残ったことを書くことにします。地上部街路「外環ノ2」についての参加者からの質疑です。
東京都が、「外環ノ2」ができるとグリーンベルトが形成されると説明しているのはおかしいのではないか、という質問に対し石川さんは「それは街路樹でしょう」。
「街路樹はグリーンベルトにはなりません。グリーベルトとは呼ばない。それはグリーンベルトという言葉の使い方を間違っています」。あまりにもばっさりと都のまやかしを言い当て、胸がすく思いでした。
写真 「代理人と語ろう」では善福寺に住む人から、「外環ノ2」について意見が述べられた 7/8 西荻区民センター