世界規模で見れば食糧危機という人もいるほどで、だから「この食糧不足を解決するために」遺伝子組み換え(GM)作物にシフトしていく動きがあるのだとか。
GM技術は収量を倍増させることが可能だから、栽培に必要な土地、水、燃料をこれまでより3割削減できる、温暖化に立ち向かう「貢献策」だと米国モンサント社が発表したことを新聞が報じています。
これまでは消費者から嫌われてきたが、食糧難を救い、かつエネルギー削減にも成果をもたらす救世主としてGM作物が巻き返しに転じるのでしょうか。
いや、すでに世界中の生産畑はGM作物が主流、日本の消費者がいくらいやだと言っても輸入に依存している以上もはや避けられない、だいいち食卓にはとっくにGM食品が浸透しているのが現実——。という声も一方からは聞こえてきます。
考えるほどに、「GMはノー!」と言い続けることは巨象に立ち向かう蟻みたいな気がしてきます。外堀はすっかり埋められ敗北宣言まぢかか?
国民の8割が「安全性に不安」、7割が「技術として未知、未熟」と不信感を抱き、6割が「周囲の動植物に影響を及ぼす」と生態系に触ることを怖れ、2割は「これまでの技術で十分(GM技術はいらない)」と言っているのに?
さあ大変。蟻に何ができるか考えて、行動に出ないと。なにしろあいては巨象!韓国の「ろうそく集会」はどうだろう?大統領の米国産牛肉輸入方針に反発した数万の人たちが、ろうそくを手に徹夜でデモ行進した、あの運動は?
BSEにしろGMにしろ、生物本来の育ちや生命の根源に人間が操作を加えることにはノーです。そんなもので食糧難は救えない。いまの食糧難がなぜおきているのかを冷静に考えれば、まず世界の富の分配について根本から見直さなければならないことに気がつくはずです。
写真 韓国のろうそく集会