都独自の制度「冷凍食品の表示義務」 6月から本格実施

予算特別委員会の質問より④

昨年の冷凍ギョーザ中毒事件がきっかけとなって、冷凍食品の安全性に対する消費者の不安が増幅したことを受け、東京都が独自につくった表示制度(こちら)のことは、まだあまり知られていません。すでに一部で実施されていますが、本格実施が始まる6月を前に質問にとりあげました。

この制度の対象となるのは調理済みの冷凍食品で、国内産に限定されているうえ、原料のうち重量の多いほうから3点だけしか義務付けられていません。また表示義務とは言ってもホームページ上に記載すればよいとしたため、包装材に直接なにも表示がなくてもよいことになっています。

事業者にとって都合よく消費者にとっては不十分な制度ですが、前進であることは確かです。東京都が先頭を切って食の安全に向けた施策を進めるということは、生産者をはじめ市場全体の意識改革につながり、ひいては国の法整備の拡充に影響を与えることになります。

現場の監視指導は区の役割なので、今後のチェックと新ルールへの取り組みを念押ししておきました。

食の安全にかかわる問題は最近あまり聞かれないものの、いつまた何が原因で消費者の不安が増幅するかも知れず、問題や疑惑がおきたときに重要な役割を果たすのが、理化学検査や微生物検査を担う衛生試験所です。

新しい制度が始まれば業務が増えることになるだろうし、衛生試験所の存続がどうなるのか気になっていました。というのは、23区で衛生試験所は廃止や民間委託化が進み、杉並区でも行革の対象とされて久しいからです。

そこで区の見解をただすと、存続させていくとの答え。意外だったので一瞬「えっ!」と声を出してしまいそうでした。食の安全確保に欠かせない機関が区有の機関としてある利点を有効に生かしていきたいものです。