もしかしたらこれは、建設の実現性がほぼなくなったとみていいのではないか。いやいや、そんなに甘く見てはだめ。全面凍結ではないのだから。残した1割は何の経費?—などの思いが交錯します。
こんな展開になるとは予想もせず、7日の決算特別委員会で「外環ノ2」について質問したところでした。区の意思決定をどうするつもりか、「地上部街路は不要」という意思表示をすべきなのでは、というのがその趣旨です。
これまでの杉並区の態度は、①必要性の有無から、データに基づいて検討すべき、②都に「地元とちゃんと話してほしい」と要請している、という2点です。いずれも「都は…すべき」という立場で、他人事扱いしているとしか思えず、私の知る限りこの立場から1ミリも動いていません。
たしかに「外環ノ2」は都道なので「決めるのは東京都」には違いないが、地元自治体がどうしたいのか、意思を明確にしないのは不自然だし無責任でしょう。練馬区がかなり以前から「必要だから早く整備を」と明言しているのと比べると杉並は注意深く決定を先送りしているように見えます。
6年前、青梅街道ICの設置をどうするかについて、杉並区は広く区民アンケートの実施や意見募集をし、さらに有識者会議も設けるなどして「いらない」という意思決定を導き出しました。それを国と都に要望し、結果として区内に設置しないことになったのは、区民にとっては自分たちの総意が形になった実例としてわかりやすく、得難い経験となりました。
「外環ノ2」についても同様のプロセスを踏んではどうか。もうその時期に来ているのでは、と区の見解をたずねましたが—。答弁は「地域にはこれまで長いこと制約を受けてきた方たちがいて、さまざまな意見がある」。
要は、区が今「いらない」という決定をすると困る人がいる、ということのようです。ノーという人とそれを言えない人と。—巨大な事業が地域を分断する、「八ッ場」と同じ問題がここにも見えてきました。