その人というのは菅井紀子さん、若い女性弁護士で、公演の実行委員だそうです。「憲法ミュージカル」だなんて、なんだか教条主義的なニオイがして怪しげだと思いましたがひとりでも座席を埋められればと思い、11月23日、武蔵野市民文化会館に出かけました。
果たして、大ホールは満席。とりあえずよかった。そして始まったミュージカル『ムツゴロウラプソディ』。「ギロチンが断ち切ったのは 海そして人の命」というキャッチコピーは、有明海の諫早湾干拓事業により干潟が鉄門でせき止められている問題を表しています。
公募オーディションで選ばれた6歳から79歳までの市民100人でつくる作品、というから技術的なことは期待しないつもりでいましたが—。
干潟にかつて豊かにあった、多種多様な生き物たちの飛び跳ねるダンス、海の水とともにあり、戯れはぐくまれる命。それがある日突然、鉄の門「ギロチン」に息の根を止められ死屍累々となるさま。
また人間たちも、産業の構造が変えられて生活を壊され、漁師たちは仕事を奪われ、人権が踏みにじられる叫びが歌とダンスで表されます。
技術的にはともかく、テーマの訴求力という点で、作品の出来は私の予想を裏切ってくれました。それだけでなく、「シロウトが演じるのだから」ヘタでも我慢しよう、と先入観で思い込んでいたわが身の不明を恥じました。
カーテンコールで、出演者一人ひとりの笑顔が達成感と充実感で文字どおり輝いているのを見たら、目がうるんできて困りました。
「生物の生きる場としての水環境」というのは、私が今度一般質問で取り上げる「石けんの使用について」とつながる問題です。質問が終わったら、またこの場で報告します。