「いじめはなくせないもの」という認識から始める

 

生活クラブ生協のホームパーティーで

9月議会の一般質問より③  いじめ[その1]

昨年10月、滋賀県大津市でいじめを受けていた中学2年生の男子生徒が自殺し、子どものいじめが今また大きな社会問題としてクローズアップされています。5日に札幌でも中学1年生がいじめを訴えるメモを残して亡くなるなど、新学期が始まった時期は、子どもの不安がふくらむとき、まさに要注意時期です。 

ついに文科省もこの事態を深刻に受け止め、国が主導して対策に取り組むための方針をまとめました。しかし私は、社会から犯罪を追放することができないように、学校のような閉じられた空間での集団生活の中でいじめは「なくすことができないもの」と認識するところから始めるべきだと思います。 

ただし、それでも子どもの命と権利だけは大人の責任としてしっかり守る、そのためにすべきことを考えたいと思います。そしてできるだけ、いじめをおこさない知恵と工夫についても、あとで述べたいと思います。 

当区におけるいじめの認知件数、その経年変化を聞きました。2010年のデータで認知しているのは276件、06年から09年までは減っているがその後調査方法が変わったので増加に転じていると。警察がかかわったケースは1件あるが自殺の原因が疑われる事例はないそうです。 

区ではいじめの実態を把握するため、済美教育センターの指導のもと各学校で年3回調査を実施しています。その結果により、済美センターの対応チームが学校訪問するなど関与、連携しつつ解決にあたるとしています。 

公の調査は重要ですが、子どものいじめに関しては数字に表れない部分が必ずあることを承知しておかなければなりません。子どもがいきいきと生きる権利が保障されるために、いじめられたら逃げること、逃げる場所は必ずあることをメッセージとして伝える必要があります。 

身体を傷つける行為や、窃盗などの犯罪をそそのかす行為はそれ自体が犯罪であり、罰せられるべきであることを教育の場できちんと伝える必要があります。子どもを犯罪者にしないことは教育の使命です。