リターナブルびんを絶滅危惧種と言わせない
選挙などの影響でごみ問題の活動についてしばらくごぶさたしていましたが、7月30日、「容器包装の3Rを進める全国ネットワーク(3Rネット)」の学習会に参加しました。「個性的な“リユースシステム”は社会を変えられるか」というタイトルに主催者の熱い意気込みが現れています。
3RとはいうまでもなくReuse- Reduce- Recycleのこと。この3つは順番が大事で、リユースすなわち再利用・再使用が最優先で取り組まれなければならない、と3Rネットは考えています。容器で言えば、一度使ったらつぶしてしまうペットボトルではなく、洗えばくり返し使えるガラスびんをこそ、ということです。
両者を比べるとCO2排出量が多いのはペットボトル、リサイクルに税金が多く投入されるのもペットボトル。環境にも財政にも負荷がかからないのがリユースびんなのです。
リユースびんの使用を推進することが最大の課題ですが、びんの利用は減り続ける一方で(グラフのオレンジ色部分)、びんリユース推進全国協議会副代表の言うには「まだ下げ止まっていない」。リユースびんは「絶滅危惧種」と言われているのだそうです。
こんな状況を脱却しようとがんばっている活動の紹介がこの日のトピックスでした。まず「Rドロップス2号」が開発され実用化されたこと。全国どこの飲料メーカーでも使えて商品開発できるものを、と東京包装容器リサイクル協同組合が事業主体となって開発されました。新宿区内限定で商品化された「十万馬力新宿サイダー」のびんがこれ。
奈良県で去年11月に発売されたお茶「と、わ」の新しい取組みをプレゼンしてくれたのは、NPO「World Seed」の中島光さん、若い世代の活動家です。
「新宿サイダー」と「と、わ」、いずれも飲料品を供給することで「環境」「地域」を考え人・モノが循環する社会をイメージしているのが共通しています。また消費者にとっては、リユースびんを使うことで社会貢献につながります。そのことに価値を感じる消費者が増えれば、社会は確実に変わるはず。
政権が変わったことで経済効率最優先に向かってしまうのだとしたら、Rびん的社会はますます遠のいてしまいます。絶滅危惧種なんて言わせない、成長株に育てたい。Rびんの使用が増えるような商品開発が待たれます。