2015年第4回定例会一般質問より3 ~障害者差別解消法の施行にむけて準備を
一般質問を行った12月9日は、1975年のこの日に国連の障害者権利宣言が採択されてから
ちょうど40年目にあたります。2013年6月の障害者差別解消法成立を受け、翌年1月に日本が国連の障害者権利条約に批准したのは、条約に署名してから7年後のことでした。
それまで保護されるべき対象とされてきた障がい者を「権利の主体」としてとらえるという、発想の転換を迫る障害者差別解消法が成立して初めて、権利条約の批准が可能になったのだと言えます。
法の理念である、障がい者を統合する社会にしていくには、すべての人の受容、知識、寛大さが必要であり、一般の人の意識が変わることが重要です。来年4月1日に法が施行されるにあたって、準備の取り組み状況について質問しました。
都は、庁内の体制整備について検討を進め、職員向け説明会の開催、区市町村への情報提供を実施し、職員が適切に対応するための要領を作成する、とのこと。また「国の指針等を踏まえ、民間事業者等への普及啓発など、関係局とも連携し、障害者の方の意見も聴きながら必要な準備を着実に進める」と答えました。
区市町村の現場では、あと4ヵ月を切った施行を前に、準備に当たっています。たとえば障がい児の就学相談への対応や行政の出先機関、選挙の投票所で、また緊急時や災害時など具体的な場面で、障がい者への合理的配慮の提供が義務づけられるからです。
国は、対応指針を示している省庁がまだ一部にすぎない状況ですが、都は国の動きを待つのでなく、全庁的に取り組み、ガイドラインなどを示す必要があります。そのためには、全庁の取り組みを統括し推進する機関が必要です。
そして今後も折に触れて取り組み状況を検証し、真にインクルーシブな東京にしていくためのしくみ整備を前進させていくよう、要望しました。