ワクチンはコロナパンデミックの救世主になるのか

新型コロナ感染症に世の中が翻弄されるようになって1年。その当時から、「いずれワクチンができて」「おおぜいの人が接種し集団免疫ができれば」収束するが、それは数年かかることで、できないなら五輪開催も不可能と言われていました。それがたった1年で、日本で集団接種が可能になるなど思いもしませんでした。

講師の岡田幹治さんと

思わぬ速さで開発・実用化が進み、ワクチン接種がついに現実のものとして目の前に近づいてきてさあどうしよう、と迷っている人は多いと思います。杉並区の消費者団体が1月30日に開催した「新型コロナワクチン、接種しますか?」と題する学習会は時宜を得た企画でした。

講師は「香害」の学習会の講師としてこれまで2回(2017年2018年)お話を伺った岡田幹治(もとはる)さん、区内在住のジャーナリストです。私は最後までいられなかったのですが、このウイルスの本質を掘り下げることで今のパンデミックをめぐる社会状況について捉え直そう、という意思は十分感じ取りました。

そもそも環境破壊や気候危機が新型ウイルスを誕生させたこと。医療のひっ迫はウイルスの毒性の強さによるのではなくこれまでの経営重視で病院を減らすなどしてきた医療政策がもたらしたものであること、公衆衛生を低くみなして保健所を縮小し感染症より生活習慣病に傾き過ぎてきた政策をこそ、いま見直さなければならない。

国民の6割だか7割の接種をめざして実行計画が各自治体で進められていますが、接種するかどうかは個人の任意です。強制されるなどあってはならないし、パンデミックの救世主として過度に期待するのも危ういものを感じます。

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