能條桃子さん 参加型デモクラシーの希望を語る ~東京ネット新年会にて~
1月31日に中野サンプラザで開かれた東京・生活者ネットワーク新春の集い、今年は3年ぶりの実開催でした。2020年の開催以来、オンラインでの「新春の集い」はありましたが、統一地方選のある今年、リアルに集まることができ「全員が選挙で勝ち抜こう!」という気持ちを熱く共有できたことは何よりでした。
若者世代の政治参加を拡げる活動家、能條桃子さんの基調講演が最高でした。
1998年生まれの能條さんは「選挙に行かない若者たちを何とかしたい」「おじいちゃんだけで決めちゃう政治を何とかしたい」「そういう社会を変えたい」という思いで行動し2022年タイム誌の「世界の新しいリーダー100人」に選ばれています。
留学生として過ごしたデンマークで、若者が選挙をイベントとして楽しむ姿にひかれ、帰国後、政治に無関心が当たりまえの日本の若者とのあまりのギャップにショックを受け、行動を起こします。講演のタイトル「参加型デモクラシーある社会を目指して」の「民主主義」ではなく「デモクラシー」としているところにも、若者を意識したこだわりがあるようです。
女性の議員を増やすことの必要も、能條さんは若者目線で説きます。経口避妊薬がなぜ日本で承認されないのか。日本で女性が被選挙権を獲得した70年以上前の女性議員の比率と現在とでたいして増えていないのはなぜなのか。
森喜朗氏が東京五輪組織のトップのとき「女性がいる会議は長い」発言に抗議するオンライン署名活動を立ち上げ、その後「森さん発言〇周年記念イベントもやり…」というくだりは大いに会場を沸かせました。この活動がきっかけとなって森氏は退陣し、能條さんは参加型デモクラシーが社会を変えることを実感します。
神奈川出身の能條さんは、子どものころ友だちのお母さんが「ネットから選挙に出る」ということが身近にあったと言い、女性の地域活動を基盤とした生活者ネットワークの政治運動に対するリスペクトが感じられたのがうれしく、杉並区長の岸本聡子さんと感覚的に近いと思いました。
「集い」の後半では世田谷区長の保坂展人さんと岸本さんが登壇してあいさつ。生活者ネットの候補予定者たちにエールを送ってくださいました。来賓のあいさつに続いて候補予定者たちが次々にマイクリレーする間、前半で退場するのだと思っていた能條さんが、柱の陰に隠れるようにして舞台に注目していた姿に胸がキュンとしてしまった私です。