【2025都政に挑戦】⑥東京都の公共工事はまず老朽化対策を

農業と農業者のことを考える「令和の百姓一揆」集会に参加 後ろは行進するトラクター 3/30

東京都のダウンサイジングを、と前回書きましたが、都市整備の事業を考えるとき、率先して取り組むべきはインフラ施設の老朽化対策でしょ、ということも声を大にして言いたいです。

1月に埼玉県八潮市で起きた道路の陥没事故が大きな教訓を示してくれました。土中に埋められた水道管が老朽化により欠損し、そこから土が管の中に取り込まれ、空洞ができたために起きたとされます。直径4.75メートルと言えば、管というよりトンネルです。巨大な構造なので亀裂が大きく、取り込まれる土の量も多く土中の空洞も広がり、トラック1台が埋まってしまうほどの陥没が起きたということです。

八潮の事故を受けて東京都も国交省もすぐに既存の下水道管の点検を指示しましたが、地下の建造物はそれだけではありません。東京都では、地下鉄が縦横無尽に走り、下水道、上水道や電気、電話、ガスなどをまとめた共同溝、さらに地下調節池など多くの施設が地下に建設され、工事が進んでいる外環道でも2020年に調布市で陥没事故が起きています

地下の状況は目に見えないだけに、知らない間に老朽化が進んでいたのが八潮市のケースです。老朽化対策を怠ると人命にかかわる大事故につながるということ。地上もふくめて「建造物は必ず老朽化する」ということ。

東京都がやるべきなのは新規に大型開発を進めることより、ふだんからメンテナンス優先の都市整備をすすめるべきではないでしょうか。メンテナンスは資金、資材、専門的人材、技術者、ノウハウ、知見…などが必要となるでしょうし、時間もかかるので、優先順位をつけ、計画的に進めなければならない大事業です。インフラ施設の老朽化対策は、まちがいなく防災対策でもあります。