映画・オペラ・おたのしみ– category –
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ヴェネツィア旅行 フェニーチェ劇場を訪れる
カサノヴァの生きた18世紀の景色いまも フェニーチェ劇場の正面。裏手は運河 夏の休暇をとって10日間ヨーロッパに行っていました。そのうちの4日間はイタリアのヴェネツィアへ。「ベニスの商人」「ベニスに死す」のように英語の「ベニス(ヴェニス)」でもい... -
『愛を読むひと』が『朗読者』を超えるとき
ベストセラー小説の映画をみる 1年半ほど前わが家のすぐ近くに区立図書館がオープンし、初めて借りた本がベルンハルト・シュリンクの『朗読者』でした。世界的ベストセラー小説ですがストーリーについてほとんど知らなかったので、予想を超えた展開に引き... -
頑固老人の最後の贈りもの『グラン・トリノ』
「人はどう死ぬか」イーストウッド監督の示唆 前回書いた『ミルク』はショーン・ペンに2度目のアカデミー主演男優賞をもたらした映画となりましたが、最初の受賞は『ミスティック・リバー』、クリント・イーストウッド監督作品での主演によります。 『グラ... -
『ミルク』は正しく「政治」をとらえた映画
ゲイの人権獲得はカムアウトから始まる アン・リー監督による男性同士の恋愛映画『ブロークバック・マウンテン』は切なくて大好きな映画です。この恋人たちは数十年間も人に知られることを怖れて関係を隠し続け、片方が事故死した後も残されたほうはカムア... -
自閉症の妹に寄り添いいとおしむ『彼女の名はサビーヌ』
姉のカメラが捉えた「彼女」の日常 サンドリーヌ・ボネールといえばP.ルコント監督の『仕立て屋の恋』が有名なフランスの女優ですが、『彼女の名前はサビーヌ』はボネールが1歳違いの自閉症の妹に寄り添うように、いとおしむようにカメラを見据えて撮った... -
原初の人ヤノマミ 奇跡か神秘か
森に生まれ 森に食べられ 森を食べる NHKテレビはときどき、信じられないようなものを見せてくれます。 アマゾンの森の奥深くに1万年前と同じ暮らしをいまも続ける「ヤノマミ」という人たちのことを、2月26日BSの番組で初めて知りました。日本人スタッフが... -
ピアニスト梯剛之(かけはし たけし)さんの背筋
すぎなみNPOフェスタのチャリティーコンサートにて 杉並区でNPO活動が進められるようになったルーツに私はちょっぴり力を貸した、という自負があります。 というのは、97年6月、署名活動をへて杉並区議会あてに出した「NPO活動推進法の制定を求め... -
在日コリアン家族の哀切とユーモア『焼肉ドラゴン』
経済成長時代の裏面史描く日韓合作劇 たまたまつけたTVで『焼肉ドラゴン』の舞台中継が観られて、ラッキーでした。日本と韓国が共同制作し、ことし新国立劇場とソウルで上演され評判になった演劇。朝日新聞の「回顧2008」で今年の演劇トップ3のひとつに... -
『マルタのやさしい刺繍』 夢をかなえて自立する80歳
あんなおばあちゃんになりたい 議会が終ったら観に行こうと決めていた映画のひとつは、『マルタのやさしい刺繍』です。 長年連れ添った夫に先立たれ、生きる気力もなくしてしまった80歳のマルタ。あるきっかけで昔の若いころの夢、「手作りランジェリーの... -
『いのちの食べかた』が描く 食とは何か
管理された工場で食品となる「いのち」 見逃していた映画『いのちの食べかた』を、杉並区消費者グループ連絡会が主催した上映会で5日、みることが出来ました。「食とは何か」をこんなにむき出しのまま、直截的に描き出したドキュメンタリー映画はほかにな...