大統領の歴史的スピーチは静かだった

2009年1月23日 08時15分 | カテゴリー: 憲法・平和・社会

米国民に語りかけて祝祭終わる

まるですごいスーパースターが現れたようでした。ビートルズ以上かもしれない。1月20日の米国、いや世界中がオバマ・フィーバー最高潮。就任式に200万人の観衆を集めた大統領なんて過去にいませんでした。

歴史に残るに違いないスピーチをリアルタイムで聞こうと思いながら、寝てしまったことを翌朝の新聞を開いて後悔しました。テレビもオバマ一色。ああやっぱり起きているべきだったなあ。

真っ先に就任演説をチェック。意外にもCHANGEもYES,WE CANもない、高揚する民衆とは対照的に静かなスピーチです。そして期待以上の内容でした。聞き終わった女性が「自分が一緒に社会活動にかかわることで変えていけると信じる」と涙を流しながらインタビューに答えていました。

じつは、数日前からすでに熱狂ぶりが報道されていたのを、新大統領への過剰な期待が露骨だっただけにちょっと怖いと感じていました。ひとりの魅力的なリーダーが現れたことでブッシュの悪政がすべて払拭されリセットされる、というような幻想は抱かないほうがいいと思うからです。

米国の課題はあまりに多く困難なので、大統領への期待が大きければその分解決できないときの失望も大きいに違いなく、国民の人気取りのためにたとえば戦争を始める、などという愚を犯すオバマは見たくありません。

そもそもヒトラーという人物が合法かつ民主的選挙により元首に選ばれたことを、歴史的事実としていつも忘れないようにしないといけません。

とにかく祝祭は終わり、世界中の評価がこれから待っています。ただ、就任後ただちにキューバのグアンタナモ収容所の閉鎖やイラク撤退に着手したのだから、それだけで前大統領より高い点を私ならつけますが。

1年前の「ヒラリーかブッシュか」というとき、アメリカ人の半分は女なんだからきっとヒラリー、と思っていました。もしヒラリーだったら世界はどんな就任式を迎えていたのだろうと、想像しています。