支える人を支える「ケアラー連盟」が発足

家族など無償の介護者を横につなぐ

在宅で家族の介護を担う人の多くが肉体的にも精神的にも疲れきって行き詰まり、過酷な状況にあるのにそれが社会問題として認識されていない、ということをNPO法人介護者ネットワークセンター・アラジンの牧野史子さんから聞いたのは4月のことです。

牧野さんは介護者の権利を保障する法的整備が必要といい、「介護者基本法」制定をめざして市民が議論して法案をつくったこと、それを政府関係者に提案していること、運動体として「ケアラー連盟」発足が予定されていることなどを話してくれました。そのとき牧野さんに誘われて「連盟」のよびかけ人に私も名を連ねています。

そして実は一般質問をこのテーマで、5日にし終わったところ。区に対して問題を提起したつもりですがその報告は近日中に(質問全文はこちら)。

6月7日、家族などの無償の介護者を支える団体「ケアラー連盟」の設立集会。憲政会館には石毛えい子さんはじめ国会議員も姿を見せ、80人の定員いっぱいの人が集まりました。

発足のあいさつは牧野さん。「10年前から、地域の中で介護する人をどのように救い・助けるのかと活動し、心身ともに壊れる姿、孤立する姿を見て、世代・障がい別を超えたプラットフォームをつくろうと…」

ケアラーの立場から発言したのは、自分が生まれる前から統合失調症を患っていた母を一生介護し続けた父のことを話したAさん。両親の介護で仕事を辞めざるを得なくなり、疲労困憊の末死のうとしたBさん。いま21歳の「一見健康そうな」息子の知的障がいと自閉症に振り回された日々を語ったCさん。いずれも聞いているだけで胸が締め付けられそうな話です。

ケアラー緊急アンケート調査の中間報告もたいへんショッキングな内容です。最終まとめの報告が待たれます。

「介護を必要としている人も介護者も、ともに自分の人生の主人公になれる共生の社会をつくることをめざして」と「ケアラー(家族など無償の介護者)連盟結成宣言」が採択され、運動の新しいページがスタートしました。