議員の期末手当「本則でカット」提案、否決に

07年「本則で増額」以降は「附則で減額」の繰り返し

5月30日に臨時会が開かれ、「生活者ネット・みどりの未来」の5人は、6月期支給の議員のボーナスを「恒久的に(=本則で)」カットする条例改正を議員提出議案として議会に提案しました。

「恒久的に」と書いたのは、私たちの提出議案のほかに「1回限り(=附則)で」減額する議案もまた、自・公・民社など29人の議員から提出されたからです。結果は私たちの案が数で負け、「1回限りカット」案が可決されました。

…一般職員とちがって議員の報酬は「生活給でない」ことは自治法にも位置づけられており、であるなら3、6、12月に支給される「期末手当」の意味をどう考えればいいのか。議員に期末手当はなじまない。そもそも私たちはこう考えて、2010年第3回定例会で期末手当を廃止する議員提案をしました(こちら)。

けれどもこの考え方は他の多くの議員の理解が得られないことが分かりました。一方、近づく6月期を前に議会運営委員会理事会では、臨時議会でボーナスカット議案の議員提出について「本則か附則か」の議論が。

経済情勢の厳しいなか、23区いずれも議員の期末手当減額を議決していますが、附則による減額を繰り返しているのは杉並区をふくめて4区しかありません。19区は本則により恒久的な減額を議決しているのです。附則の場合は1回しか効力がないので、杉並区のように何度も改正を繰り返すことになります。

多数会派の人たちが今回も「附則で」としたのは、いったん本則で決めてしまうと元にもどせない、附則にしておけばそのとき限りのカットで済む、と考えているとしか思えません。ところが、杉並区議会は07年12月には、手当の増額を「本則で」決めているのです(こちら)。

上げるときには本則、下げるのは附則、というのはなんと虫のいい話ではありませんか。「区民に対し議員みずから身を切る姿勢を示す」と言いながら、実はわかりにくい形で既得権益にしがみつこうとしているようにしか見えません。

このような態度は恥ずかしいと思い、議員のボーナス不要論はあえて脇に置いての提案でしたが、私たち5人以外には共産、無所属区民派、など10人の賛成にとどまりました。