いまだに悔しい「都民投票条例」の都議会否決

区議会は「原発再稼働反対」意見をボツに

6月20日に更新してからずいぶん間が空いてしまいましたが、この間のことを振り返っておきます。

20日は都議会で原発都民投票条例の議案が採決され、41対82の賛成少数で否決に。16日の総務委員会での審査結果を覆すことはできませんでした。その日の夜のニュースで議決時の映像が流れ、翌日の新聞には胸が悪くなるような石原知事の写真が載りました。

この日はもうひとつ、がっかりすることがありました。区議会の議会運営委員会理事会で「大飯原発の再稼働の撤回を求める意見書」を国に対して提出する議題が諮られましたが、5会派のうち3会派が反対でボツになってしまったこと。

反対した3会派とも理由は同じ。「原発は国が決めることだから」「立地地域の事情を考慮すべき」という、大きくいって2点です。国が複合的に判断するので一自治体が口出すことではない、また大飯町民のみなさんが「稼働を受け入れる」とした重い判断を尊重すべき、だという。

いずれも、「都民投票条例」に対する石原都知事の意見としてあげられた4点の中にある論です。知事の意見はこのほかに「投票資格者に疑義がある」というのと「地方自治法に抵触する」というものです。

これらすべて、総務委員会での請求代表者による意見陳述の場で論破されたことですが、議決に反映されなかったのは、議案の賛否を決める論理は別のところにあるのかもしれません。——杉並区議会での原発の議論と同じく。

というのは、「大飯再稼働反対」の意見書の議論のとき「原発はなければないに越したことはない」と3会派の人たちが発言していたからです。だからもし、都民投票条例が可決して「原発稼働の是非」について都民が投票する、ということが実現していたら、彼らだって「×」に投票したかもしれないのです。

都民による直接請求で住民投票が実施される、という貴重な歴史的快挙になったはずなのに、と思うといまだに悔しさがこみ上げてきます。そして——ついに、大飯原発の再稼働。都も、国も、住民の意思が全くわかってないとしかいいようがありません、