原発は「ジリジリ」と呼ぼう・・・核を語る詩人「アーサー・ビナードさん」の提案

2013年2月2日 00時10分 | カテゴリー: 憲法・平和・社会, 核・放射能・エネルギー

1月30日に開かれた東京・生活者ネットワーク新春の集い、基調講演の講師は米国生まれの詩人、アーサー・ビナードさん、めちゃくちゃ面白く胸が熱くなるお話でした。TVでときどき見かけるビナードさんを「日本語の上手な脱原発派のアメリカ人」くらいにしか思っていなかった自分が恥ずかしくなりました。 

わが家のニューヨーク時代、息子が5~6年生のころ、社会の教科書に「ヒロシマとナガサキの原爆(atomic bomb)は数百万(millions)人の兵士の命を救い戦争を早く終結させた」と書かれているのを見てショックを受けましたが、その後エミー賞を取ったTV映画でも同じことを言っていました。 

つまり、この伝説が米国の通説、常識なのです。彼も当然そういう教育を受けました。でも成長して

講演会の後、都議選候補予定者6人に囲まれるビナードさん

それがペテンだと気がつきます。ヒロシマ・ナガサキ原爆投下計画すなわち「マンハッタン計画」は米国憲法違反である税金使い込みプロジェクトである、その粉飾のために原爆の「戦争終結の功績」伝説が創りあげられた、という真相に。

 ことばの持つ質感に敏感な彼は、米語と日本語を対比してみるのが好きなようで「原爆とatomic bombはまったく同じ」と言います。しかし広島で出会った原爆の語り部が使った「ピカドン」という言葉は、違った。彼女は「原爆」という言葉を一度も使わなかった、なぜならそれは実感のない言葉だから。「ピカドン」は彼女の生活の中から出てきた言葉、だと。 

「そこに生活者の暮らしがあるから」、ピカドンということばは「生き物の側に立つ」ことを信条とする彼の心をとらえました。「非暴力で社会を変えるのはことばの力」と信じるビナードさんは「ヒロシマを語ることが詩人としての最大の仕事」と自らに課しているがために、原発に「名前をつける」ことを提案します。 

日本に54基、米国に104基もできてしまった原発を、生活の実感をもって名付けない限り停めることはできない、というのがビナードさんの言い分。――私は「ジリジリ」と呼ぶ。原爆が「ピカドン」なら、爆発がゆっくり進行する「爆発しない爆弾」である原発は、「ジリジリ」がふさわしい、というのです。 

ビナードさんのいうには、オリンピック東京招致は「ジリジリ」の隠ぺい効果が期待されているようです。今年に入ってから、政権交代もあって「ニッポンにオリンピックを」の掛け声が大きくなった気がしています。彼の話を聞いたらよけい、それが気になって仕方ありません。