杉並区の【新】政務活動費制度は恥ずかしい
2月20日の区議会本会議に諮られた、政務調査費を「政務活動費」に変える条例。18日の議会運営委員会での賛否のとおり(こちら)、「ネット・みどり」の出した「透明化」案は退けられ、自・公・民3会派27人の区議が提出した「第二給与への後退」案が可決されました。
そして28日の同委員会では、新条例に沿って書き換えられる「規程」の内容をどうするかが議論されました。ここでも、自公民が推す「酒食への支出も可」の主流案に対し、「ネット・みどり」は「酒食は認めない」案を提出しましたが、過半数を占めたのは主流案。これにより、杉並区では「酒食が供される新年会などに出席する議員の会費の半額、5,000円までは税金で賄ってよい」ことが確実になりました。
なんと驚くべき、区民目線の無視、時代の逆行、議会改革の後退ではありませんか!
そもそも、この「改正」自治法そのものが意識ある市民にとって「驚くべき悪法」でした。市民オンブズマンが昨年そういう決議をしているほどです(こちら)。
そしてこの「改悪」は、全国都道府県議会議長会から「議会機能の充実強化を求める緊急要請」(2010年1月21日)が出されるなど「三議長会」の要望を踏まえたものだそうです。「三議長会」とは、都道府県議会、市議会、町村議会の3つの議長会の総称で、東京23区にはこれとは別に特別区議会議長会があります。
もちろん、特別区議会議長会でも同様の動きがありました。2007年12月27日、杉並区議会の臨時議会で議員の期末手当を値上げする「お手盛り」議案がかけられたとき、当時「区議会生活者ネットワーク」という会派として私が反対意見を述べた中に、次のような一節がありました。
…ところで、11月19日付で特別区議会議長会会長・雨宮正弘氏より特別区長会会長の多田正見氏にあてて提出された「真の地方分権を支える議員活動推進のための基盤整備について」と題する要望書を先日拝見いたしました。議会改革の一端として議員特権の見直しが進む潮流にあって、特権の担保を意図するかのような逆行した内容にもとれ、議長会においてどのような議論を経て出されたものか、また、どのような位置づけとしてのものなのか、疑問を感じました。…以下略
それから2年と少し後、先の「議会機能の充実強化」要請が出され、さらに2年と少し後の昨年8月、自治法の「改悪」に至るわけです。地方分権、議員活動推進、議会機能の充実強化、…いずれも聞こえのよい文言ばかりですが、そのホンネが透けて見えてしまうと…いかにもあさましい。恥ずかしい限りです。
杉並区が今回決めたルールは、その恥をさらに強調するものになってしまいました。