尾を引く 杉並の教科書問題

「つくる会」内紛と教育長辞任

17日に幕を閉じた区議会は、06年度予算案を審議する特別委員会が9日間開催され、国民保護法(いわゆる有事7法のひとつ)で策定を義務付けられた国民保護計画の関連条例案や、障がい者自立支援法の施行、介護保険、国民健康保険の改正にともなう条例案など、40本以上の議案がかかりました。

賛否の悩ましい議案がある上、教科書問題がまだ随所に影を落とした、気の重い議会でした。教育長の人事案件に反対したことは、杉並・生活者ネットワークのホームページに掲載しました。http://suginami.seikatsusha.net/

「つくる会」内部で、今まで『教科書』をリードしてきた人たちがそろって解任されるという内紛が起き、杉並が採択した歴史教科書の執筆者のひとり、西尾幹二氏が「自分が書いたものは無断で書き換えられた」、だからもはや自分は関係ない、と自身のホームページに書いているのを読んで、なんという無責任かと怒りでいっぱいになりましたが、無責任はそれだけではなかったのです。

納冨善朗教育長が辞意を表明したのは、区議会にとっても「青天のへきれき」でした。教育長の任期は4年、来年の6月28日までなので、1年3ヵ月も早いことになります。

辞任の理由を「教育立区としての杉並の今後の展開は(自分の)資質・力量をはるかに超えている」と語ったと新聞記事にありましたが、委員会でも議員の質問に「(区の)重要な時期に力の限界、枯渇を感じた」と答えていました。

自信がないならなぜ無理してあの教科書を選んだのだろう?——と不思議でならないし、実際に教科書を使った授業がなされて以降の教育の検証をしなくていいのか?まだ使い始めてもいないのに、放り出してしまうのか?
などなど、理解に苦しむことばかりです。後任として予定している人が東京都教育庁の指導部長という、強制で悪名高い教育行政の重要ポストにある人なので、あとは全部任せて安心、と思っているのでしょうか・・・・・・?