朝鮮第9初級学校のお話を聞く

ご近所のよしみで交流

阿佐谷北1丁目にある朝鮮学校のことは、昨年オープンスクール(授業参観)に招かれて訪れて以来、関心をもってきました。日本の小学校と同じく1年から6年生までの約90人の子どもたちは、多摩地域や渋谷、板橋区などからも通ってきていて、杉並の19人に次いで多いのは新座市の18人です。

授業参観には練馬、小平の生活者ネット議員も来ていたほか、教科書採択を間近に控えた7月だったため、「つくる会」教科書に危惧を抱く人たちもおおぜい参加していました。

その後、バザーなど地域に開かれたイベントにも参加して、杉並・生活者ネットワークの国際平和部会としてざっくばらんに話せる機会をもちたいと思っていたところ、学校のアボジ(お父さん)の会会長の金さんからも申し入れがあり、学校関係者の方たちが私たちの事務所を訪ねてくださいました。

つい先日、東京と神奈川の朝鮮学校、横浜の中華学校が、他の外国人学校との税制差別を是正するよう訴えたという報道がありました。欧米や韓国の学校に認められている優遇措置を朝鮮と中国には除外する理由が、「短期滞在者が通っている外国人学校は日本社会にとって 『公益』で、永住者が通っている学校は『公益』ではない」こと、というのはおかしな話です。

制度的には、美濃部知事時代の68年に東京都が各種学校として認可したものの、文科省の位置づけはいまだに不明確なままです。大学入学資格が持てるようになるなど、事実上改善されてはきましたが、このような待遇差別は人権上問題であるとして、日本は国連から再三勧告を受けています。

国はそんな状況ですが、でも第9初級学校と近隣の杉並第1小学校とは、学校ぐるみ、保護者ぐるみの交流を自然な形で深めてきています。この状況を杉並区はもちろん認識していますから、きっと子どもの教育にとってよりよい施策に生かせるはずです。なんといっても「教育立区」なんですから。