うれしい成果 「ワーカーズ法」成立に向けた区の動きを後押し

「雇う・雇われる」のでない働き方がもっと広がるよう

生活者ネットワークが所属する市民活動団体、生活クラブ運動グループを構成する仲間たちのなかに「ワーカーズ・コレクティブ」という組織形態のグループがあります。この働き方の特徴は、「雇う・雇われる」のではない、同じ組合員という立場で互いに出資し合い、協同経営者となって働く形だということです。

杉並区内では、生協の配送、家事援助や介護、高齢者施設の給食、車両での移動支援、子育て支援や保育、葬儀のプロデュースなどの、地域の暮らしに必要なサービス提供を事業として展開しています。

株式会社のように営利を追求するのでなく、またNPOのようにミッションの追及(だけ)に力点を置くのでもなく、必要な対価を得て継続可能な事業体として、このような働き方が日本で生まれて25年以上になりますが、事業体としてのありかたを位置づける法律がなく、これまでさまざまな不都合が生じていました。

私たちとしても、東京ワーカーズ・コレクティブ協同組合とともに「(いわゆる)ワーカーズ法」の必要をこれまでも訴えてきて、国会での法案成立まであと一歩というところまできましたが、08年、法整備に向けた運動を全国で強化しようと、各地方自治体のワーカーズや関連する労働団体が請願活動に取り組みました。

杉並区議会へも、9月に運動グループの仲間が「(仮)協同出資、協同経営で働く協同組合法」の制定を求める意見書を国に提出してほしい、という趣旨の請願書を提出。生活者ネットとしてロビー活動に協力するなど全面的にバックアップしたことで、第4定例会での審査にこぎつけました。

11月27日の区民生活委員会で「採択」されたことを受け、12月8日の本会議には議員提出議案として上程され、生活者ネットとして「だれもが自分らしく働けるワーカーズのような事業がこれからもっと必要とされる。そのために一刻も早く法整備を」と賛成意見を述べました。

提案はもちろん可決され、国に宛てた意見書がさっそく提出されました。あとは国会の動きを待つばかりですが、杉並区で「ワーカーズ」運動を推進させるきっかけが作れたこと、そのための後押しができたことが何よりうれしい成果です。

写真は太田黒公園(荻窪3-33-12)12/13